打ち込みメタルドラムとトリガー
どうもお久しぶりです。うぉーいんさいどです。
Minstrel ライブ楽しかったです。ありがとうございました!
今日は、いままでずーっと書こうと思ってついぞ書いていなかった、ドラムのトリガーについての記事を書きます。
最終的に紹介するのは、近年のメタルコアみたいに音をバチバチして強くするお手軽な方法です。
スネアがドッパァンになり、キックがドズゥッンになるわけです。
ライブでのトリガー
そもそもトリガーというのは、生ドラムとかに特殊な小型マイクを取り付けて、打音に合わせてサンプリング音を鳴らす装置です。
こういうやつです。
これの音源の出力をライブハウスのスピーカーに繋げることで、通常生ドラムでは出せない音や、聴き取りやすい音をライブで実現できるわけです。
録音でのトリガー
一方で、録音した後にトリガーを掛けることもできます。録音したドラムの波形に合わせてサンプリング音を流すことでより迫力ある音にしたり、演奏の音量の揺れをカバーしたりできます。VST プラグインとしては Drumagog あたりが有名かと思います。
メタルのライブや音源では特にスネアとキックにトリガーを掛けることが多いようです。
打ち込みでのトリガー
今回紹介するのは、生ドラムではなく、打ち込みのドラムに対するトリガーです。
「生ドラムっぽい音源に加工済みのサンプルを重ねる」ことで、お手軽にドラム音源をパワーアップして迫力ある音にすることができるわけです。
それってそもそも打ち込みだからトリガーもなにも無いじゃん?
って思うかと思いますが、もちろんその通りなんですよね。
ただ、音作りのやり方として、生ドラムっぽい音源をベースに加工済みのサンプルを重ねていくという工程がすごくわかりやすくてラクチンなので、トリガーと言いたい、というわけです。
手順
まず、生ドラムっぽい音源でドラムを打ち込みます。今回使ったのはezDrummer 2で、エフェクトは特に掛けてません。生ドラムっぽい音源はBFD 3やSSD、Superior Drummer、Addictive Drumsなどが有名です。
次に、先ほどのトラックをコピーします。(もっと便利な方法もありますが説明が長いので後で述べます)
このトラックにはサンプラーを出力に設定し、サンプラーには加工済みのスネアの音とキックの音 (wav ファイル) を読み込みます。
C1にキックの加工済みファイルを、D1にスネアの加工済みファイルを割り当てます。
このファイルはネットで買うことができます。僕はChango StudiosやSeraph Recordingsのものを使っていますが、数百円~千円ぐらいとそんなに高くないので、ググッていいやつを探して買うといいでしょう。
先ほどのシーケンスをサンプラーだけで鳴らすとこんなかんじになります。
加工済みサンプルにはリバーブやEQがガッツリかかっていて、ドッパァァァアン、ズダァァン、バスゥゥンです。
リリースが長めなので、ドライめな生ドラムっぽい音源と混ぜていくといい感じに空間を調整できます。
二つのトラックを同時に鳴らすとこういう感じです。
キックはトリガー強め、スネアは半々くらいという調整です。
コツは、それぞれ音程を合わせることです。大抵のサンプラーかドラム音源にはチューニングを変える機能が付いています。
デモ
ezDrummer 2 + Chango Studios
ドラムは重ねただけでEQやコンプなどは掛けていません。ギターは生ギターにBIAS AMP、残りはSample Tank 3です。
Studio One
Studio Oneの新機能、Multi Instrumentを使うと複数のVSTインストゥルメントを一個にまとめることができるので、これでezDrummerとサンプラーを1つにしたMulti Instrumentを作ると非常に便利です。
これができる以前は、共有を複製という機能を使ってシーケンスの変更が各トラックに反映されるように工夫していましたが、結構不便でした。
Cubase
Cubaseでやる場合には、生ドラムっぽい音源を通常のアウトプットに設定し、トリガーを鳴らすサンプラーは MIDI センドに設定すると便利です。
ちなみに、トリガーにつかう音源には wav ファイル、Kontakt用の nki ファイル、Drumagog用の gog ファイルの3つが同梱されていることが多いです。KontaktもDrumagogも有料ですが、何かスゴく便利というわけでもなく、wavファイルをDAW付属のサンプラーで読み込むのがお手軽で良いと思います。
SSD
SSD にはそもそも最初からそういった機能がついており、右上にトリガー的な音を設定してスネアやキックなどと同時に鳴らすことができます。これも便利ですね。